FXを始めたての人やこれから始める人は、投資系・FX系のインフルエンサーの煌びやかやな生活やSNS上で発信される美味しい話を鵜呑みにして、FXに過大な期待を抱きがちです。
それらの影響で簡単にお金持ちになれる印象ばかりが先行していますが、「実際のところ、FXって本当に稼げるの?」という疑問をお持ちの人も多いと思います。
私もまさにその一人でした。
FXでの脱サラやFIREを夢見て、この2年間独学での勉強と実践を続けてきた今の私が感じるFXの実態を包み隠すことなく正直にお伝えしたいと思います。
■FXって稼げるの?
まず最初に結論からですが、FXで本当に稼げるかどうかについては、これまでの自身の経験を踏まえて私なりの見解を簡潔にお伝えすると、「FXで稼ぐことは不可能ではないが、そのためにはタフな精神と正しい努力が必要」ということになります。
何にでも言えることだと言われればそれまでですが、この2年間独学で勉強しながら、リアルトレードを実践してきた今の私が思う正直な感想としては、FXで稼ぐ難易度は高いと感じます。
大きな夢・目標を掲げて、これからFXに挑戦しようとする皆さんにとってはなかなか厳しい内容かもしれませんが、簡単にお金を稼げるような甘い世界ではないことは事実ですし、ことFXにおいては下手すると借金を背負うことにもなりかねないため、巷に溢れる嘘情報に流されるのではなく、FXの実態を知り、確固とした覚悟を持って挑戦してほしいと思います。
■稼ぐ難易度が高い理由
次に、なぜ稼ぐ難易度が高いと感じるのかについて、私の個人的な見解をお話します。主な理由は以下4つです。
理由❶-勝てるようになるまでに挫折する
これは何にでも言えることではありますが、その道のプロがひしめき合う中に、右も左も分からない初心者が勢いで飛び込んでも最初は養分にされるだけです。
もちろん、日々、勉強と実践を繰り返し、自分のトレードを改善し続けることで少しずつ戦えるようにはなりますが、FXはゼロサムゲーム(誰かの利益は誰かの損失であり、その合計が0になること)であり、ヘッジファンド等の機関投資家や熟練の専業トレーダーといった猛者たちがいる中で生き残り続けられる実力を得るには、正しい道筋を歩んだとしても、相当な努力とそれなりの時間を要します。
投資・FX系インフルエンサーに影響され、簡単にお金を稼げるイメージで始めたものの、なかなか結果が出ず、みるみる膨らむ目の前の損失に耐えきれなくなり、挫折してFXを辞めてしまう人が大半ではないかと思います。
新しいことに挑戦する行動力と勇気は大切ですが、FXにおいてはいきなり稼ごうと大きな額をかけるのではなく、まずは負けても許容できる範囲内の少額から開始して、安定して勝てるようになるまでは勉強と実践を積むべきです。
理由❷-様々なバイアスに影響され、自分を制御できない
人間の行動心理を紐解くと、私達は日々様々なバイアスにかかっている(偏った見方をしている)
ことが分かります。
例えば、お祭りに行った際などに、からあげやフライドポテトなど同じものを売っているお店はいくつもあり、同じものを買うのであれば並んでいる人の少ないお店に行った方が早く商品を買えるにもかかわらず、行列のできているお店に自然と並んでしまっていませんか?
これは「同調バイアス」と呼ばれるもので、人間は他人の意見や行動に影響を受けて、他人と同じ方向に傾いてしまうのです。
つまり、本心では逆を選んでいたとしても、多数派の方に安心感を感じ、その方向に流されやすいということですね。
FXの世界においても、多くのバイアスが存在しており、知らず知らずのうちに自ら損失を拡大させるような行動をしてしまいます。
その代表例が「プロスペクト理論」と呼ばれるもので、行動経済学の分野でよく知られている理論です。詳細についてはまた別記事で触れようと思いますが、この理論の中で「損失回避バイアス」というものが提唱されており、これを簡単に一言で説明すると「人間は得することよりも損失の回避を優先する」という行動心理を示したものになります。
得と損の期待値が同じであっても、その事象の確率を歪めて認知してしまいます(バイアスがかかります)。
結局何が言いたいのかというと、上述のプロスペクト理論(損失回避バイアス)を始め、その他様々なバイアスの影響で、なかなか損切りができなかったり、損失をすぐに取り返そうと熱くなってリベンジトレードを試みて余計に損失を拡大してしまったりなど、自分を制御することができず、勝つための正しい行動をするのが初心者だけでなく、それなりに知識のある中級者レベルでもかなり難しいということです。
理由❸-勝ち始めると調子に乗る
これもバイアスの一つなのだと思いますが、ある程度勝ちトレードが続いたり利益が増えてくると、自分の実力が上がったのだと思い込んで自信過剰になったり、勝っている分の資金的な余裕から普段以上に大きなロットでエントリーしたりなど、負けているときと比較すると、心にもトレードにも明らかに隙と油断が生まれます。
この隙と油断が命取りとなり、せっかく積み上げた利益を一気に吹き飛ばしてしまい、大きな損失を被り、また一からのスタートとなることは初心者から中級者までのトレーダーにはありがちなことだと思います。
よく言われる「コツコツドカン」がまさにこれだと思います。
しかも、この「コツコツドカン」は、1回経験して終わりではなく、分かっていても何度も繰り返しがちなので非常に厄介であり、挫折の要因の一つだと思います。
FXにおいては、その時の相場環境が良かったり、たまたま相場と自分の波長が合っていたりなど、初心者でも一時的に勝ちトレーダーになることはよくあることです。
ちょっと勝ちトレードが続いたからといって、それを自分の実力だと思うのは時期尚早です。ほとんどの場合は、相場環境が良くて一時的に勝っているだけなので、相場環境が変れば、積み上げた利益も失うことが多いです。
「実力がついてきた」「勝てるようになった」と判断するのは、安定して勝っている状態が少なくとも1年以上続いてからにしましょう。
理由❹-勉強方法が分からない
FXの勉強と一言で言っても、「テクニカル」や「ファンダメンタル」、「過去検証」など色々あり、
初心者は何からどうやって手を付けてよいか分からないという人も多いと思います。
先生・師匠となるような人がいるのであればその人に教わるのは一番早いですが、9割の人は負けていると言われる世界なので、身近にFXをやっている人はいたとしても、先生・師匠にできるような安定して勝っている人はなかなかいないと思います。
自称プロトレーダーや億トレーダーを名乗る人たちが有償で教えていることもありますが、かなり高額なケースが多く、そもそもそのトレーダーの実力が本物かどうかを見極めることも難しいです。
何にでも言えることかもしれませんが、結果を出すためには、ただがむしゃらに努力すれば良いというものではなく、ゴールに繋がる正しい努力を効率的にすることが必要です。
むやみやたらに勉強しても、それが間違った方向だった場合はただ時間が過ぎるだけで当然結果は出ません。
初心者が独学で勉強する場合、自分が今勉強していることが本当に意味のあることなのか、正しい努力なのかの見極めが難しいという問題があります。
3.まとめ
ついつい文章が長くなってしまいましたが、今回の記事は以上になります。
まとめると、❶~❹のような理由があることから挫折する人も多く、FXで稼ぐことは誰にでもできることではないため、難易度が高いと感じます。
一方で、これらにめげることなく、日々、正しい努力を続けることができる一部の人間だけが、弱肉強食の厳しいFXの世界で生き残り、時間的にも経済的にも開放された、自由な人生を送ることができるのだと思います。
今後も、FXに関する私の経験や考えを発信していきますので、是非ほかの記事も読んでいってくださいね。